園長だより 9月号
心に染み込んでいる言葉!
~子どもの頃の教えが人生を支えることもある~
園長 中村 洋志
先日は、台風6号の影響で休園措置をしたこともあり、ご迷惑をお掛けいたしましたが、子どもたちの安全確保の観点からの措置でしたので、ご理解いただければと考えています。9月に入ったとはいえ、まだまだ厳しい残暑が続いています。子どもたちには疲れのたまりやすい時期でもありますが、園内には相変わらず元気な歓声が響いています。私たちも子どもたちの底知れぬパワー・エネルギーに圧倒されないように、今まで以上に真摯に向き合っていきたいと考えています。
今の時代は、子育てに関する情報はいくらでも入手出来ますし、むしろ多過ぎて悩んでしまう状況ではないでしょうか。子育てには絶対的な正解はありません。それは、全く同じ個性の子、同じ資質を持った子は存在しないからです。同じ親から生まれた兄弟姉妹でさえも、同じようにいかないことは、誰しも経験することではないでしょうか。しかし、私はそれが大事なことだと考えています。「みんな違って、みんないい」のです。これまでにこの地球上に生まれた子どもの数は、1076億人とも言われていますが、同じ子どもが生まれたことは一度もありませんし、これから先も生まれることもありません。このことだけ考えても、今ここにいること自体が奇跡なのです。私たちの祖先が一回も途切れることなく繋いで来てくれた命を生きているのです。そう考えると、まさしく一人一人は愛おしくて、かけがえのない存在です。
この子どもたちと向き合い、何を基盤として子育てをしていけばいいのか迷われることも多いのではないでしょうか。私は、それぞれの家庭で何か基盤になるものを子どもに伝えていけばいいのだと考えています。あまり難しく考えるのではなく、日常の生活の中で各家庭で大切にしたいことを伝えていけばいいのではないかと思います。私自身子どもの頃に教えられたことは心に染み込んでおり、折々に思い出すことがあります。何気ない言葉が人生を支えることもあるのです。参考にもならないとは思いますが、幼い頃から我が家で大切にしてきた言葉がありますので紹介します。
我が家の柱には、右記のような教えが貼ってあり、祖父母や親からことある度に読まされました。姉や兄に比べてやんちゃな私は、姉や兄以上の回数読まされたと思います。これを「人は大きく、心は丸く、腹は立てずに、気は長く」と読むんだと教えられ、
何度も言わされました。しかし、当の本人はその逆の生き方をしており、今考えて見れば親としては歯がゆい思いでいたんだろうなと今頃反省している状況です。こんな歳になっても、時折この言葉を思い出し、自らを戒めていますが、進歩していない自分に恥ずかしくなることがしばしばあります。
今日も保育園には、様々な個性を持った子どもたちが通ってきます。何を、どのように子どもたちに伝えていけばいいのか、悩むこともありますが、子どもたちの中に「何かが」残ってくれればと願いながら子どもたちと向き合っていきたいと考えています。子どもたちが「喜んで登園し、満足して降園できる園づくり」を目指して、保護者の方々と手を携えながら子どもたちの成長を支えていけたらと願っています。