園長だより 2022年1月号

子どもが伸びる育て方~ちょっとした心遣いで子どもは伸びていく~

新年あけましておめでとうございます。令和4年のスタートです。今年こそは、様々な感染症に悩まされたり、事故等で怪我をしたりすることなく、子どもたちをはじめご家族の方々にとりましても、健康で安全な日常が過ごせる年になればと心から念じています。本年も昨年同様よろしくお願いいたします。

子どもたちは、いつの時代も未来への希望です。昨年末、鹿児島国際大学での講話を機会に国連NGOの平和大使協議会の関連団体YSP鹿児島の方々との出会いがあり、「第2回YOUTH FESTIVAL~子どもの笑顔があふれる未来へ~」の中で特別講演をする機会をいただきました。市内の中高生や大学生、青年を中心に鹿児島市中央公民館に約200人(オンライン3000人)の参加のもと開催されましたが、その中で、「目の前の子どもたちが未来を創る~一人一人の尊厳と命が守られる社会へ~」というタイトルで話をさせていただきました。YSP鹿児島の方々は、人格教育と国連のSDGs(世界平和、持続可能な開発目標)をサポートするプロジェクトを通して、青年・学生のグローバル人材育成に取り組み、世界平和を促進するための活動を展開しています。毎週土曜日朝8時から9時まで騎射場公園、鹿児島大学、天文館周辺などでゴミ拾いなどをしており、昨年3月からは、県内各地で「子ども食堂」のボランティアも始めています。こんな若者たちが身近にいることを誇りに思い、大きな期待をせずにはおられません。若い方々から大きな刺激を受けました。

目の前の子どもたちと接しながら、どんな未来を生きていくのだろうかと想像することがあります。世の中は桁違いのスピードで進展していきます。楽しみであると同時に予想もつかない時代を生きていく子どもたちにどんな支援をしていけばいいというものはありません。誰とも同じでない、唯一無二の存在だからです。すべての子どもに共通する有効な子育ての方法はありませんが、経験上こんなことに留意したらということがあります。参考になるかどうか分かりませんが、思いつくままに

① どんな小さなことでも、成功感・達成感を味わわせるような場づくりに努める。
② 失敗も貴重な体験になる場合もあるが、繰り返させるのではなく生かす工夫をする。
③ 兄弟姉妹や他者と比べるのではなく、自分との競争をさせる。
④ その子なりの個性・特長を認める。(わがままを許容するということではない。)
⑤ ご褒美を安売りしない。(すぐものを買ってあげたり、与えたりしない。)
⑥ 家族の一員として、子どもなりの役割を持たせる。(お手伝いとかの役割分担)
⑦ 様々な場面で、知的好奇心を喚起するような工夫をする。(キーワードは好奇心)
⑧ 親として子どもを信頼し、期待し、ねばり強く待つ姿勢を大切にする。
⑨ 生活することや学ぶことは、楽しいことばかりではないことにも気づかせる。
⑩ ある程度の不足感が子どもを成長させることにも留意しながら育児する。

子育てには、近道はありませんし、唯一絶対の方法もありません。時には、感情的になることもあります。試行錯誤の連続ですが、それぞれの家庭のやり方で様々な工夫を凝らしていただければと思います。ただ、自分では気づかなかったり、分からなかったりすることも多々あります。そんな時は、祖父母や経験豊富な方に相談したり、同じ悩みを持つ者同士で話し合ったりすることも大切です。保育園としてもその一翼を担うことができればと考えておりますので、お気軽にご相談ください。

園長 中村 洋志